「H27.3.14島根半島 四十二浦巡り再発見講演会(関和彦・大谷めぐみ)」DVDを作成しました。

昨年の平成27年3月14日に、いづも財団と共催によりうらら館で開催しました「島根半島と四十二浦巡り」と題した講演会の録画DVDを作成しました。講演レジュメの依頼もありますが、今回録音資料を作成しました。「雲州四十二浦の詠歌」を付録として付けますので、お求めいただくようご案内します。

①研究会座長・古代史研究者 関和彦氏「『出雲国風土記』と四十二浦巡り」

➁研究会副座長・宗教民俗学者 大谷めぐみ氏 「四十二浦巡りの信仰と精神」

の講演130分を収録したものです。

○購入ご希望の方は、下記研究会事務局へ申し込んでください。一冊1,000円(送料150円)です。

 ・研究会事務局・・・〒690-0815 松江市西持田町189-3 木幡(こわた)育夫
           電話 090-4572-0641  FAX 0852-21-9942
           Eメ-ル kowata189sky@yc4.so-net.ne.jp

DVDケ-スの表面

      雲州四十二浦之詠歌

杵築大社      八重(やえ)雲(ぐも)の立(た)つや出雲(いづも)の宮(みや)柱(はしら)実(じつ)に太敷(ふとしき)も幾代(いくよ)経(へ)ぬらん

   日御崎大神宮    芦原(あしはら)の国(くに)ゆたかなるためしにぞ朝日(あさひ)の御崎(みさき)てらす君(きみ)が代(よ)

   宇龍浦橋姫大明神  諸人(もろびと)の頼(たのみ)をかけし橋姫(はしひめ)の誓(ちかい)もふかき港(みなと)なるらん

   鷺浦鷺太明神    うらの名(な)の鷺(さぎ)の身(み)の毛(け)も白妙(しろたえ)にゆうかけてすめ神(かみ)の広前(ひろまえ)

   鵜峠浦大歳太明神  千早振(ちはやふる)神代(かみよ)のうたやうたうらしうらこぐ船(ふね)もむかし覚(おぼ)えて

  猪ノ目浦大歳太明神 幾度(いくたび)も又(また)来(く)る春(はる)におおとしの神(かみ)の御前(みまえ)や霞(かすみ)こむらん

   河下浦蔵王権現   湊(みなと)川下(かわしも)津(つ)瀬(せ)清(きよ)み少童(わたつみ)も潮(しお)をかけてみそぎするかな

  古津浦一宮太明神  広前(ひろまえ)にかけて絶(たた)せし綱手縄(つなでなわ)神(かみ)によるべの古津(こづ)のうら船(ふね)

  十六島浦稲荷大明神 清(きよ)かれと心(こころ)の塵(ちり)をうつふるい神(かみ)にもうでの道(みち)ぞ凉(すず)しき

   釜浦石神大明神   千年(ちとせ)ふる森(もり)の下草(したくさ)刈(か)る人(ひと)もあゆみぞはこぶ釜(かま)の神社(みやしろ)

   塩津浦六所権現   跡(あと)たるる塩津(しおづ)のうらの宮(みや)柱(はしら)立(たち)くる波(なみ)の塩(しお)や清(きよ)めん

  唯浦三保大明神   よしあしの心(こころ)のうちと只(ただ)頼(たの)め神(かみ)こそ守(まも)れ人(ひと)の世(よ)の中(なか)

  三津浦熊野神社   世(よ)の中(なか)の塵(ちり)の穢(けがれ)を濯(すす)ぐ身(み)を掃(はら)い清(きよ)めよ塩(しお)のみづのうら

  古井津浦三社大明神 罪(つみ)咎(とが)は人(ひと)をこいつのうらみより出(いず)る焔(ほのお)をさます神風(かみかぜ)

  佐賀浦日御崎神社  佐賀(さか)うらの渚(なぎさ)の塩(しお)の清(きよ)ければかかる我身(わがみ)に穢(けがれ)あらじな

  伊野浦焼火権現   伊野(いの)うらの竈(かまど)にぎわう煙(けむり)かな藻塩(もしお)焼火(たくひ)の神(かみ)の誓(ちか)いに

  魚瀬浦八王子権現  藻塩(もしお)やく賎(しず)のおのせのうらつたい烟(けむり)ぞなびく朝(あさ)な夕(ゆう)なに

  古津天満天神    敷島(しきしま)の道(みち)をかしこみ天満(あまみつ)に神(かみ)よしるらし宮(みや)のうらはも

  江角浦北野天神   妙(みょう)や爰(ここ)に北野(きたの)の神(かみ)のますしるしに立(たつ)る松(まつ)と梅(うめ)とは

  手結浦津神大明神  天津神(あまつかみ)国津神(くにつかみ)代(よ)の御注連縄(みしめなわ)手(た)ゆいのうらに今(いま)も絶(たた)せし

  片句浦八幡宮    君(きみ)が代(よ)は千代(ちよ)の岩尾(いわお)となるまでに片句(かたく)も守(まも)れ神(かみ)の御国(みくに)を

  水野浦本宮大明神  むかしよりよるべの水(みず)のうらならし今(いま)もきよむる神垣(かみがき)のうち

  大芦浦国司大明神  曳(ひき)渡(わた)る(す)しりくへ縄(なわ)の内(うち)にこそ神(かみ)の鎮(しずま)りおわしますらめ

  加賀浦潜戻神宮   只(ただ)経(へ)ては潜戸(くけど)も岩屋(いわや)天照(あまてら)す神(かみ)ぞ出(いで)てぞ光(ひか)りかがやく

  野波浦日御崎大神宮 沖野波(おきのなみ)打(うち)くる塩(しお)の清(きよ)ければむすぶ心(こころ)の底(そこ)もすずしき

  小波浦国司大明神  海士人(あまびと)も小浪(こなみ)のよする渚(なぎさ)より清(きよ)き岩間(いわま)の塩(しお)やくむらん

  多古浦三所荒神   立浪(たつなみ)のしらゆう花(はな)をささげつつ掃(はら)ひ清(きよ)むる多古(たこ)の神風(かみかぜ)

  沖泊浦日御崎神社  海原(うなばら)や沖泊(おきどまり)する釣舟(つりぶね)の汀(みぎわ)にかえるあけぼのの空(そら)

  瀬崎日御崎神社   神風(かみかぜ)によする瀬崎(せざき)の波(なみ)の花(はな)をそそげば清(きよ)き我(わが)心(こころ)哉(かな)

  野井浦日御崎神社  野井(のい)うらの清(きよ)き潮(しお)を賎(しず)が身(み)にかくる願(ねがい)のかのううれしさ

  笠野日御崎神社   今(いま)爰(ここ)にきて見(み)る笠(かさ)のうらべなる汀(みぎわ)の塩(しお)のいさぎよきかな

  千酌浦三社大明神  藻塩(もしお)やく浜辺(はまべ)の波を海士(あま)の子(こ)の汲(くむ)や百汲(ももくみ)千酌(ちくみ)なるらん

  北浦稲倉大明神   白(しら)ゆうを結(むす)びあげつつきたうらの波(なみ)の花(はな)さく神(かみ)の広前(ひろまえ)

  須気浦新宮神社   諸(もろもろ)のさわりけがれを今更(いまさら)に須々気(すすげ)うらはの清(きよ)き汀(みぎわ)に

  片江浦蔵王権現   誠(まこと)あるかたへと祈(いの)る心(こころ)には浮世(うきよ)のちりもあらじと思(おも)う

  佐々子浦玉井大明神 幣帛(へいはく)を佐々子(ささご)のうらの神社(かむやしろ)守(まも)れや四(よつ)の海(うみ)もゆたかに

  僧津浦三社大明神  湊田(みなとだ)をもるや僧津(そうづ)のうら風(かぜ)に秋(あき)の穂(ほ)浪(なみ)の靡(なび)くとぞみる

  七類浦喜多大明神  諸人(もろびと)のあゆみ絶(たた)せじ我(われ)も今(いま)詣(もう)で来(き)たれる神(かみ)の御前(みまえ)に

  諸喰浦奢母智大明神 神(かみ)のます御笠(みかさ)のもりや茂(しげ)りあう幾世(いくよ)久(ひさ)しき諸喰(もろくい)の浦(うら)

  雲津浦諏訪大明神  雲(くも)すぎて晴(はれ)ぬと諏訪(すわ)の神風(かみかぜ)にさそわれ出(いづ)る浦(うら)の船人(ふなびと)

  三保関美保大明神  真帆(まほ)に行(ゆ)く舟(ふね)もほのかに美保津(みほつ)姫(ひめ)守(まも)り給(たま)えや行末(ゆくすえ)の空(そら)

  福浦三保大明神   あさぼらけ霞(かすみ)の内(うち)に百船(ももふね)の嵐(あらし)ふくらの沖(おき)やすむらん  

※明治四十年発行『雲津誌』所収の「雲州四十二浦之詠歌」を底本にし、他の資料を参照しつつ漢字および文体を整えた。1、浦名および神社名の表記には手を加えていない。2、詠歌の前文と、年号、人名は削除した。

3、必要に応じて現代仮名遣い、ないし濁音に改めた。

ケ-スの裏面
「H27.3.14島根半島 四十二浦巡り再発見講演会(関和彦・大谷めぐみ)」DVDを作成しました。